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2026/5/16 ME/CFS世界啓発デーイベント「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)になって貯めた運」に寄せて〜倉恒弘彦先生からのメッセージ

2026.05.16
お知らせ

今日5月16日に行われたオンライントークライブに、元厚生労働省ME/CFS研究班班長の倉恒弘彦先生からメッセージが届きましたので、掲載します。倉恒先生、ありがとうございます。

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ME/CFS啓発デーイベントに寄せて
― 新型コロナ後遺症とME/CFSへの理解の広がりを願って ―

倉恒 弘彦(くらつね ひろひこ)
大阪大学大学院医学系研究科 招へい教授
元厚生労働省ME/CFS研究班班長

本日は、ME/CFS啓発デーイベントの開催、誠におめでとうございます。
また、日頃より患者支援活動に尽力されているME/CFS支援ネットワークの皆様に、心より敬意を表します。

私は、元厚生労働省ME/CFS研究班班長として、長年にわたりME/CFSの研究と診療に携わってまいりました。その中で強く感じてきたことは、この病気が「見えにくい苦しみ」を伴う疾患であるということです。

ME/CFSは、単なる疲労ではありません。わずかな活動によって症状が大きく悪化する「労作後疲労増悪(PEM)」をはじめ、睡眠障害、認知機能障害、自律神経症状、痛みなど、多彩で深刻な症状を伴います。しかし、外見からは分かりにくいため、患者さんは周囲の理解を得られず、孤立や誤解に苦しむことが少なくありません。

近年は新型コロナ後遺症を契機として、ME/CFSの病態に対する社会的関心が高まりつつあります。これまで「怠け」「気のせい」と誤解されてきた症状が、医学的に説明されるべき病態であることが、少しずつ認識されるようになってきました。これは患者さんにとって大きな前進であると感じています。

本日ご登壇される花香よしあきさんのように、ご自身の体験を社会に向けて発信してくださることには、大変大きな意義があります。著名な方が実際の苦しみや生活上の困難を率直に語られることで、これまで病気を知らなかった方々にも理解が広がり、患者さんが安心して支援を求められる社会につながっていくことを期待しております。

ME/CFSは、決して「気持ちの問題」で片付けられる病気ではありません。現在も国内外で研究が進められており、脳機能、自律神経、免疫、代謝異常など、さまざまな医学的異常が報告されています。まだ解明されていない部分は多いものの、確実に医学は前進しています。

本日のイベントが、患者さんやご家族にとって「一人ではない」と感じられる機会となり、また社会全体の理解促進につながることを心より願っております。